入居率を維持したいなら入居者の居住環境を考えた賃貸住宅建築

リーマンショックにより落ち込んでいた住宅着工件数がその後持ち直して2013年には100万戸弱迄回復しましたが、昨年の消費税増税前の駆け込み需要の影響が大きかったといわれています。一方で、2016年1月1日から相続税の基礎控除が6割に縮小されることに伴い、アベノミクス景気による株価上昇によって資産持ちが現金所有より住宅所有による優遇税制を利用して相続税課税対象額を減らして資産形成を図ろうとする行動だったとの見方もあります。住宅業界では久しぶりに盛り上がってきた住宅着工意欲を利用して、資産持ちが賃貸住宅で資金回収する方法を勧めるキャンペーンを行ったので、既に空室率が供給過剰ベースになっている上に賃貸住宅建築が進んだことで今後は立地条件の良い築浅物件以外は空室が一層増えてしまいそうです。こうして、元々、建ててから取り壊すまでの年数が戸建て住宅よりはるかに短くて、平均25年程だといわれる賃貸住宅ですから、建て主は20年程度で投下した資金を回収しようとする余り、建物の建築コストを抑えた賃貸仕様で建てることになるので、「新築物件」のうたい文句に誘われて入居した人にとって居住性に不満が大きくなりがちなのです。

従って、昔から言われている通り、今後、築年数の増加につれて入居率の下がることがはっきりしてくるので、築10年もたった賃貸住宅の持ち主は賃料を下げたり、敷金、礼金カット等のサービスをしないと入居者を確保できなくなってしまうので維持補修費さえ確保できなくなり、賃貸経営を続けられなくなるのです。こうして、消費税増税前の駆け込み需要を利用した賃貸住宅建築キャンペーンを続けていけば賃貸住宅はますますスクラップアンドビルドの悪循環に陥ってしまうのです。住宅業界では目先の経営に目を向けるのでなく、中長期的視点で入居者がいつまでも住んでいたいと思う賃貸住宅を建てれば入居率が高止まりすることを建て主と一緒になって実践する工夫が必要なのです。賃貸住宅の住まいで生活したいと考える家庭が増えている現状を考えれば、居住性の良い賃貸住宅を求める傾向が強まっていることは明らかなのです。

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